2015年7月20日月曜日

迫る首都直下地震!


【iRONNA発】噴火列島 深発地震、もっと恐ろしい「予言」も 島村英紀氏

深発地震の影響で六本木ヒルズの高層階に足止めされ、非常用エレベーターから降りる人たち =5月30日午後、東京都港区
 日本列島がどうもおかしい。今年に入り、口永良部(くちのえらぶ)島や箱根山など既に7火山の噴火が確認され、他にも複数の火山で不穏な動きが続く。専門家は東日本大震災以降、地殻変動が活発化した可能性を指摘するが、今、列島の地下では何が起きているのか。「噴火列島時代」に突入したニッポンのリスクを考える。
 さる5月30日、小笠原諸島の近海でマグニチュード(M)8・1という巨大な地震が起きた。震源の深さは約680キロ、これは東京から函館までの距離に当たるから、とても深い所で起きた地震である。この種の深い地震は深発(しんぱつ)地震といわれる。
 この地震では、小笠原母島や神奈川県で震度5強を記録したほか、北海道から沖縄県まで47都道府県で震度1以上の揺れを観測した。全都道府県で有感になった地震は初めてのことだ。
 そもそも地震はプレートの中とすぐ近くでしか起きない。このため、浅い所では世界あちこちで地震が起きるが、世界でもプレートがたまたま深くまで潜り込んでいる所だけ、こういった「深発地震」が起きる。
 起きる場所は今回のような日本南方の海の深部のほか、日本海の深部、南太平洋のトンガ・ケルマデック地域や、サイパン・グアム島の地下、南アメリカの太平洋岸の地下など、ごく限られた所だけだ。
M9は世界で7つ
 世界で一番深い地震は今回くらいの深さ、つまり約700キロの深さで起きる。とても深いようだが、地球の半径でいえば、せいぜい10分の1くらいまでしか起きない。では、その限界の深さはどうやって決まっているのか。それは、太平洋プレートのような「海洋プレート」が地球の中に潜り込んでいっている下限である。
 いや、正確に言えば、深発地震が起きることによって、そこまで海洋プレートが潜り込んでいることが知られるようになった。だが、世界の深発地震がいつもこの深さまで起きているわけではない。これは、フィリピン海プレートやアリューシャン列島での太平洋プレートの潜り込みがずっと浅い所までしか達していないので、海溝から潜り込み始めたのが比較的新しい時代からだったことを示している。
 世界でM9という大地震はこれまで7つ知られているが、日本以外の全てで1日後から5年以上後までに近くで複数の火山が噴火しているのである。日本は昨年9月、御嶽(おんたけ)山が噴火して戦後最大の火山災害になってしまったが、この噴火は火山の噴火としてはとても規模が小さいものであった。世界の例に照らしても、昨年の御嶽山の噴火だけで済むとは考えにくい。
 東日本大震災の余震は少なくとも数十年以上は続く。日本列島に起きる地震や火山への影響も4年で終わったとは考えられないので、これからまだ、じわじわ影響が広がってくる可能性が高い。
数十年後、浅い海溝型
 ところで、深発地震について、もっと恐ろしい「予言」もある。大きな深発地震が起きると、引き続いて同じプレートの上の方、つまり浅い所で大地震が起きるという学説があることだ。
 また、昭和27年の北海道十勝沖で起きたM8・2の大地震の2年前に、同じプレートの深さ300キロ余りで起きたM7・5の地震が先行したとも述べている。そのほかにも小さめの地震が数年以内に比較的多く起きてから、これらの浅い大地震に至ったという。
 つまり、大きな深発地震が起きると、それによってプレートの「留め金」が外れて、数年後、あるいは数十年後に浅い海溝型の大地震が誘発される、という学説なのだ。もし、この学説が正しければ、やがて首都圏を襲う地震、そして震源が浅いがゆえに大きな津波を発生する地震が起きるかもしれないのである。
【プロフィル】島村英紀 しまむら・ひでき 武蔵野学院大特任教授。専門は地球物理学(地震学)。昭和16年、東京生まれ。東大理学部卒、東大大学院修了。北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所長などを歴任。著書に『火山入門-日本誕生から破局噴火まで』(NHK出版新書)など。

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