2013年9月5日木曜日

政府の汚染水対策、手遅れでなければよいが・・・

オリンピック開催地選考を前に、政府があわただしく、フクイチの汚染水問題の対策に乗りだした。


政府の基本方針は以下の2本の柱だ。

*地下水が原子炉建屋へ流入するのを防ぐ「凍土遮水壁」の設置

*「ALPS」と呼ばれる汚染水の浄化設備の増設




政府はこれらに、500億円近くの国費を投じる方針で、東電に代わって本格的に対策に乗り出す姿勢をアピールしている。


この政府対策について、今日までに、専門家らに取材した結果を本日はご報告する。


大きな問題点は2つ。


ひとつは国費を投じる問題。私たちの血税を投入することになるのだが、その前にしておかなければならないことがある。それは東京電力の清算だ。


東電の破たん処理をすることになしに、国費を投じることになれば、バブルの破たん処理と同様に、モラルハザードを呼び起こしかねないし、国民からの支持を取り付けることはできない。


東電の清算とは、東電そのものは当然として、さらに株主そして、融資を続けてきた銀行にも責任を背負わせることだ。それをもって、はじめて国費の投入は認められる。


東電や株主らの責任を追及することなしは絶対にありえない。


この問題に詳しい慶応大学教授の金子勝氏


「破綻処理を決めない限り、東電は生き残りのために福島への賠償費用を削るか、危険な原発を再稼働するか、

電力料金を際限なく引き上げるかしかない。いずれも国民に犠牲を強いる最悪の選択です。

東電任せでは、避難生活者はもちろん、国民も救われません」


そして、二つ目の問題点は


汚染水対策に用いられる方法自身が2つとも役に立たない可能性が高いことだ。


まずは、「凍土遮断壁」ついて。


具体的には、原子炉建屋周辺の土を人工的にマイナス40度に冷却して凍らせ、凍土の壁を構築して地下水を遮断する方式が想定されている。


だが、凍土壁は周囲1キロを超えるの長さが必要とされており、過去にこれほど大規模に実施された事例がない。


さらにこの方式だと、今後何十年にもわたって周辺の土を冷却し続ける必要があり、莫大な電力が必要となる。


また、配管の交換などのメンテナンスも必要があり、費用は極めて高額になる。


つまり、膨大な費用がかかるうえ、人類がだれも踏み入れたことがない、未知の領域への挑戦だということだ。


次に「ALPS」の問題だ。


事故後に開発・設置した、汚染水から62種類の放射性物質を取り除く「多核種除去設備(ALPS)」はいまだ本格稼働していないのが現状だ。


しかも、今回の汚染水流出で問題になっている核種のひとつ「トリチウム」は除去できない設備なのだ(詳細はhttp://eggman-warlrus.blogspot.jp/2013/08/blog-post_27.html


はっきり、言おう。


もう、水による原子炉の冷却方式はあきらめた方がいい。


本当は循環式冷却方式が、とられるはずだったが、あまりの設備の大きさと、つぎはぎ状態の工事だっために、もう無理な段階になっている。


原子炉を冷やした汚染水と、原発山側から大量に流れ注ぐ地下水に対して、延々に対処しても勝ち目などありうるはずはない。


ではどうすればよいのか?


いま、再びあの、京都大学・原子炉実験所の小出裕章氏は提唱する。


「水に代わって、金属による冷却です。

ヨーロッパの研究者から忠告をもらったのですが、具体的には鉛とかですね、ビスマスとか、そういう重金属の類を、多分溶けてしまって、どこかにあるだろうと思われている炉心のところまで送る。

その金属の、冷却材というか、熱伝導を使って炉心を冷やそうという発想です」


この方式もかなり未知数だということだが、タンクを増やしていくしかない、水による冷却方式よりはまだ、現実的かもしれない。


そして、私が何よりも心配することは、こうした手立ての遅れだ

もし、水にしろ、金属にしろ、どんどん後手に回ってしまうと、汚染水(放射能)漏れの拡大を防ぐことができなくなる。


それが意味することは、原発近くにもう、人が近づけなくなることを意味する。つまり、原発の廃炉処理はおろか、敷地内に誰も入ることはできず、事故を起こしたフクイチは放置されることになる。


冷却することができなくなった原子炉や使用済み核燃料がどうなるかは、想像しただけでおそろしい。



五輪招致に浮かれるみなさんは、そんなことまで考えているのだろうか?

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