2013年4月22日月曜日

原発続けたいって言ってるのは、グローバル企業なんですよ。

いつも、読むたびに関心させる思想家の内田樹さんのブログ(東北論)<http://blogos.com/article/60760/>でまた、はたと気付かされることがあった。


ブログは全国的に進学校として知られている灘高校の生徒からのインタビューをもとにつくられていて、その中で話が福島原発事故におよぶ。


そこで、原発の損得勘定について、内田氏は事故後の補償などを考えるだけで、「原発はまったく間尺のあわないビジネスだ」と生徒たちに、日本人の理不尽さを嘆く。一度、事故が起これば、その土地にはまったく、住人が帰ることができなくなり莫大な補償がいるにも関わらず、「安いコストで電気ができる」と主張を続けるからだ。


その一方で、国土について、日本人の不思議さを問うている。日本には、尖閣や竹島などの国土が失われることに敏感な人たちが多くいるのに、なぜか原発問題には疎い反応を示す。放射能で汚染された福島の地は人々は住むことはできず、いわば「失われた国土」と同然で、なぜ、この土地についてなにもいわないのかと、憤りをみせる。


さらに、原発をとりまく現在の日本の状況に大きな疑問を呈する。もし大きな地震がもう一度、福島を襲えば今度は東京周辺も居住不可能になるにも関わらず、まだ、再稼動を進めようとする人たちがいることだ。


そして、その人たちの正体こそが、内田氏は「グローバル企業」だと喝破する。


この内田氏の見立てはとてもたいへん興味深い。


内田氏はその理由づけとして、


「長期的に考えてみた場合、原子力発電を使うと日本の国土が汚染されて、取り返しのつかない損害をこうむるおそれがある。これは間違いない。だから、長期的にみたら『割に合わない』と考える方が合理的なんです」


「でも、グローバル資本主義者はそうは考えない。原発をいま再稼働すれば、今期の電力コストがこれだけ安くなる。それだけ今期の収益が出る。配当が増える。だったら、原発再稼働を要求するのが当然、というのが彼らの思考回路なんです」と応える。


今まで、原発推進については、国内の「原発ムラ」の集団だけが推進しようとしていたかのようにみえていたが、グローバル企業がその背後にいようとは思わなかった。


目先の利益を求めることだけを考えるグローバル企業の性質を裏付けるかのような動きも出てきている。


最近の円安にも関わらず、自動車メーカーが次々と海外に生産拠点を移しているというニュースがそうだ。


トヨタは高級車「レクサス」の工場を北米のケンタッキーへ移すシフトを強化すると発表。また、三菱自動車は、岡山県にある水島製作所の設備を集約し、国内の生産能力をおよそ2割削減する方針を固めた。


これは国内産業の空洞化が進むことを示し、言い換えると、国内の雇用の喪失につながることを意味する。つまり、先の原発推進理論と同じく、工場の海外移転はグローバル企業経営者にとって、当面の利益を上げる成果はえられるが、自分たちには責任がないかのように、日本国内の問題(雇用、補償・・)はなおざりにされていく。


こうしてみると、原発の再稼動問題は、実は左勢力の問題だけではなく、長い目でみれば、右勢力の人たちにとっても憂いべき問題なのかもしれいない。


そういえば、漫画家のあの小林よしのり氏も事故後、原発再稼動については一貫して反対を示している。

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