2013年4月16日火曜日

大飯原発の判決を受けて

福島県の関西電力大飯原発3,4号機の運転停止を求める裁判の判決が出た。裁判所は住民側が求めていた運転停止の仮処分の申し立てを却下する結果となった。敗訴だ。


この裁判は、東京電力福島原発以外の運転の可否に対する司法判断は初めてで、原発推進、反対派両陣営から注目を集めるものとなった。


3、4号機は昨年7月に運転を再開し、現在国内で唯一、運転している原発であるため、私個人としては、おそらく現在の国内情勢を鑑みると、住民側の申し立ては却下されると予測していたが、まさにその通りとなり残念な思いでいる。


裁判の争点は以下の点。①地震が起きた場合、原子炉内の核分裂反応を抑える「制御棒」の挿入時間の妥当性②同原発周辺の3つの活断層は連動するかーなどだ。


判決文が手元にないので、詳しい判決理由についてはふれることができないが、訴訟の中で、関電側は「海底にある二つの断層と熊川断層の地質は異なっており、3連動地震は起きない」と反論していたことや、仮に起きたとしても制御棒は一定の時間内に原子炉に挿入でき、原子炉を安全に止めることができると主張していたことなどから、裁判所はそうした主張を認めたものと思われる。


司法記者を経験してきた一人としては、日本の裁判の場合、法的根拠よりも裁判官の個性や意思がその判決に反映されることを多いことを知っているだけに、今回も細かな法的な判断よりも、裁判官が政府の意向を忖度(そんたく)したとみている。



特に大飯原発は、前の民主党の野田政権で再開を認められたうえ、現政権も原発推進を示唆する自民党の安倍内閣であることから、その流れにあえて反する判決をだすことは難しいと考えられる。


が、一方で2年前の原発事故直後から全国的に広がった脱原発運動の勢いが現在ももし、あのまま続いていたならば、違った判決が出ていたかもしれない。



ただ、今日は別の裁判で、ある意味、よい判決もでている。水俣病の最高裁判決だ。2審の高裁判決を覆し、患者認定を認めた。



判事(裁判官)も法務省の官僚であるため、「上」を見て判決をだす例もあるようだが、中には、良心をもった人がいることも確かなようだ。



今回の判決は、脱原発を目指す一人ひとりに、もう一度、行動を起こす新たなきっかけになってくれればと思う。

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